文鳥が健康に暮らすために適した湿度は50~60%です。乾燥対策は濡れタオルと加湿器がおすすめです。

文鳥ヒナのさし餌のやり方と準備するもの

白文鳥のパセリくんがわが家に来て、3ヶ月以上たちました。ヒナ換羽が終盤戦(多分)です。ヒナのパセリくんに慣れない手つきで さし餌 を一生懸命あげていたのが、なんだかずーっと前のことのように思われます。忘れないうちに、さし餌の方法について、書いておこうと思います。

さし餌のポイントは「温度」と「手際よさ」

やってみて思ったのは、さし餌の やり方 はもちろん大事ですが、実際にやってみての 感覚 の部分が大きいということです。

ポイントは、室温、さし餌の温度、手の温度、安全な場所の確保、手際よさ、集中力、だと思います。数字や文章に書くことは可能ですが、実際にやって体感するのが一番の方法です。

 

元々私は、さし餌から一人餌に移行が済んだ文鳥をお迎えするつもりでした。パート仕事があるので、さし餌の時間が取れないと考えたのです。しかしいきさつがあり、生後3週間ほどのヒナをお迎えすることとなり、さし餌をすることになりました。

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文鳥のさし餌のやり方について、買いそろえてあった文鳥の飼育書とネットの情報を、大急ぎでかき集め頭に詰め込みました。手元の飼育書、さし餌についてはザッと読んではいましたが、実践のための知識として頭に入れてなかったのです。

試行錯誤しながら確立していった、「文鳥ヒナのさし餌のやり方、パセリくんと私の場合」を書き留めます。

準備する物

あわ玉とパウダーフード

パセリくんをお迎えしたホームセンターで「ヒナのさし餌はこれです」と渡されたエクセルのあわ玉とヒナ用フォーミュラーパウダーフードです。

これを買う時点で、さし餌の知識が無かったので、言われるままです。パウダーフードは、ヒナの栄養ミルク、だそうです。どのくらい入れますか?と聞いたら、「適当です」という答え。いいんでしょうか?

ボレー粉

カルシウムの補給の為にボレー粉を用意しました。すり鉢で細かくすりつぶして、さし餌に混ぜます。黒瀬ペットフードの「自然派宣言 手洗いボレー粉 」をAmazonで買いました。

青菜(小松菜など)

ビタミン摂取の為に、青菜をすり鉢ですりつぶしてさし餌に混ぜます。主に小松菜、その他にはチンゲンサイや豆苗を使いました。近所のスーパーで買います。

キッチンスケール

0.1g単位で計れるもの。あわ玉、パウダーフード、ボレー粉と青菜のすりつぶし、を計ります。TANITAのキッチンスケールをAmazonで買いました。


育ての親

さし餌の器具として定番の「育ての親」です。お迎えしたホームセンターで「さし餌の器具はこれです。」と渡されるがままに購入。大変お世話になりました。これしか考えられません。


熱湯と水の容器

さし餌は、1回でヒナが食べる分、少量を作るので、すぐに温度が冷めてきます。冷めたときに熱湯を少し足して、さし餌の温度を保ちます。私は使わずしまってあった計量カップを出してきました。ある程度の量が入るカップでないと、さし餌中にこれが冷めてしまい、さし餌の温度を上げる役に立たなくなります。ポットのお湯を250cc、水を50ccぐらい入れて、300ccほどを用意していました。

さし餌の温度調節で熱湯を入れすぎて熱くなり過ぎたときに、冷ます為のお水の容器も用意しました。少量で大丈夫ですが、私は必要でした。100円ショップです。

小さなすり鉢とすりこ木

ボレー粉、青菜をすりつぶすために使います。これも100円ショップで買いました。

小さなスプーン

すり鉢ですりつぶしたボレー粉と青菜を育ての親に移すときに使います。何でもよいのですが、コンビニでプリンを買うともらえるプラスチックスプーンで充分でした。

キッチンペーパー・ティッシュペーパー

キッチンペーパーは、さし餌をする場所(テーブル)に敷きます。慣れない為、あわ玉やお湯や水があちこち散らばるので、拭くためのティッシュペーパーも必須です。

温度湿度計

短時間ですがヒナを普段いるケースから部屋へ出すので、部屋を温めてヒナに適した温度湿度に保ちます。その確認の為に温度湿度計をそばに置きました。温度湿度計は、ケージ用と室温用、同じ物を2個、用意しています。温度調節はエアコン、湿度調節は加湿器です。


さし餌の準備

さし餌をあげる場所の温度と湿度を上げます。パセリくんはお迎え当時生後3週間ぐらいだったので、さし餌のときだけ、その場所周辺を温度28℃~29℃ぐらい、湿度は60%以上になるように(本当は湿度はもっと高い方がいいようですが、難しかった)エアコンと加湿器で調整しました。週齢によって温度、湿度は設定を変えました。

さし餌中にあまり動かないうちはいいのですが、歩いたり飛んだりするようになると、場所の安全も考えました。テーブルから落ちないか、飛んで、はまってしまうところはないか、などです。

環境が整ったら実際にさし餌を準備していきます。

①ボレー粉を7~8粒、すり鉢ですりつぶす。完全に粉になったら小松菜1~2枚(葉のみ)をざっとちぎって入れ、すりつぶす。

②育ての親にあわ玉を5g計って入れる。プラスチックスプーンを使うと量を調節しやすい。

③②にポットの熱湯をいれてかき回し、浮いたゴミとともに一度お湯を捨てる

④あわ玉がひたるぐらい熱湯を入れる(熱湯でないとすぐに冷めてしまう)

⑤パウダーフードを1~2g入れる(プラスチックスプーン)

⑥①のボレー粉と青菜のすりつぶしを入れる(プラスチックスプーン)

⑦育ての親のスポイトでかき混ぜて、熱湯と少量の水を入れて適温にする

●このとき、温度計でさし餌の温度を確かめるのがベストだと思われますが、その為の温度計を用意できなかったので、ヒナが食べる適温を指の皮膚感覚で覚えました。赤ちゃんのミルクの温度だと、低すぎる気がします。あまり口を開いてくれません。それより少しだけ高め。でも高すぎるとそのうをやけどするので注意。

さし餌に指を入れて温度を確認し、冷めていたら熱湯を足して温度を調節します。もちろん、さし餌前に手を石けんでしっかり洗っておきます。お湯も水も少しずつ足すのがポイントです。育ての親があふれてしまいます。

●あわ玉やパウダーフードをスケールで計っていますが、毎日、毎回のことなので、すぐに慣れて「だいたいこのくらいの量」とわかるようになります。

●プラスチックスプーンを使って、先にパウダーフードを入れてから、ボレー粉と青菜のすりつぶしを入れます。先にプラスチックスプーンですりつぶしを入れるとスプーンについてしまい、そのままパウダーフードに使えないからです。パウダーフードを先に使っても、スプーンを指で払うだけで次が使えます。

ここまでがさし餌の準備です。

出来上がったさし餌。青菜が多めです。

さし餌をあげる

育ての親にさし餌を詰める

ヒナをプラスチックケースから出す前に、自分の手を可能な限り暖かくしておきます。ヒナの体温は高いので、手が冷たいとヒナの体が冷えてしまいます。左手の手のひらにヒナをそっと乗せて、右手で育ての親のスポイト部分をザクザク突いてさし餌を中に入れます。

初めてやったときに、育ての親のスポイトにさし餌が全然入らず、焦りました。スポイトといっても、空気をへこませて吸い込むのではなく、筒状の軸を差し込むことで、物理的にそこにあるお湯を含んだあわ玉が入る原理です。

ヒナは口を大きく開けてチュンチュン催促しているので焦ってしまいますが、焦って何度も早くつつくよりも、押し出す棒を親指で引いて筒に空洞を作った状態で、ゆっくりザクッ、ザクッ、と、土にシャベルを差し込むような感覚で押し込むのがコツです。

さし餌の温度に気をつける

スポイトにさし餌が入ったら、ヒナにあげます。少なくともくちばしの根元ぐらいまでスポイトの筒の部分を入れて、親指で引いた棒を押して餌を押し込みます。このとき、まず、くちばしの中までスポイトを入れてヒナが食いついてきたら、少し引き気味にした方がうまくいきます。押し気味にすると、ヒナが首を後ろに引くことになるので、そのうとスポイトが一直線にならず、うまくさし餌が入りません。そのうとスポイトが一直線になって、ヒナが食いついてくるかんじがベストです。

さし餌の温度が十分なら2口ぐらいはいけますが、手際よくやっていても3口目にはさし餌に指を突っ込んで温度を確かめた方がいいです。すでに少し冷めているので、少量の熱湯で温度を上げた方が、引き続きスムーズに食べてくれます。

さし餌が冷めると、ヒナはお腹が空いていても口を開けてくれません。もういらないのかと勘違いしてさし餌を終わらせてしまうと、栄養不足になってしまいます。

口を開かなくなったら終わり

パセリくんは、1回のさし餌で、5~6口ぐらい食べてそのうがパンパンになりました。お迎えしたホームセンターで、さし餌は1日2回と聞きましたが、調べてみるとそれでは絶対に少ないと思い、初めの1週間は1日4回あげました。4回でも少なかったかもしれません。今思えば、回数が少ない分、一度にたくさん食べていたんだと思います。

さし餌が詰まったスポイトを口元に持って行っても口を開かなくなったら、終わりです。すぐにヒナをプラスチックケースに戻します。

ここまで、さし餌を作る準備もそうですが、保温されたプラスチックケースからヒナを出し、さし餌を食べさせ、プラスチックケースに戻すまで、部屋の温度湿度に気をつけているとは言っても、できるだけ手際よく実行しなければなりません。その為には飼い主の集中力も必要です。

ヒナのさし餌の写真がない・・・

さし餌をしながら、この今だけの可愛い姿を写真に撮りたいと何度も思いました。でもそれより目の前にいる、まだ幼くて温度湿度管理が必要な、羽も生えそろっていない、チュンチュンとご飯を催促しているパセリくんのお世話が優先でした。

少しの時間でもさし餌が冷めてしまうし、さし餌初心者の私はただでさえ育ての親にさし餌を詰めるのに手間取っています。それに、慣れたプラケースと違う環境に出されているヒナにとって写真撮影はストレスになると思うのです。というわけで、幼い頃、さし餌の写真が撮れませんでした。

これは、完全一人餌になる5日前の写真です。生後1ヶ月半ぐらい、この頃さし餌は1日1回で、さし餌のあと30分ぐらい周囲で遊ぶ習慣になっていました。

 

遊ばせている間は、ずっと見守っているので、さし餌の片付けはパセリくんをケージに戻した後です。なんと片付け前のさし餌の残り水を美味しそうに飲んでいます!

おいおい、それ、飲むんかい?まぁ、いいけど・・・というかんじです。

この頃になって私もやっと写真を撮る余裕ができました。あくまで主役はパセリくん、あなたの健康的な成長と幸せです。

 

ヒナのパセリくんお迎え当日。わたしがあげた初めてのさし餌でそのうがふくらんでいる。

さし餌をあげていた頃、私も初めてのことなので無我夢中でした。初めはなかなか上手く出来ず、4回目ぐらいでやっと「少し慣れてきた」と思えました。

さし餌を欲しがって無心に食べる様子が可愛いのはもちろんですが、毎日、毎回のことなので、早く一人餌になってほしい、一人で食べられるようになるんだろうかと不安もありました。

今となっては本当に、その時しかない良い思い出です。

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