文鳥が健康に暮らすために適した湿度は50~60%です。乾燥対策は濡れタオルと加湿器がおすすめです。

文鳥、人気のおすすめペレット=食べないと困っていませんか

文鳥の主食はシードよりペレットというけど、あげても食べないし無理!という飼い主さんもいらっしゃるかと思います。シードを嬉しそうに食べる文鳥を見ると、ペレットを諦めたくなります。

でも、文鳥の体と健康にペレットが良いことは明らかです。可愛い「うちの子」の好みのペレットが見つかっていないだけかもしれません。

わが家の白文鳥パセリくんとシルバー文鳥セロリくんは、ペレットが主食です。9メーカー、14種類のペレットをあげてみた経験から、文鳥におすすめのペレットをご紹介します。

文鳥の主食はペレットがおすすめ

文鳥にあげたいペレットの条件

小鳥のペレットは、歴史が長い外国製に優れた製品が多いですが、流通が不安定と言われています。最近は国産ペレットも種類が増えてきました。

国産ペレットは流通が安定していますが歴史としてはまだ浅く、新しい製品ができたり、既成の製品がリニューアルされたりします。どのペレットが文鳥の健康に良いのか実績としてわかるには、まだ年月が必要と思われます。

国産にこだわる場合は、そんな発展途上とも言えるペレット市場の中から、可愛い「うちの子」にどのペレットがいいのかを選ぶことになります。

ペレットは主食です。文鳥の体を造り活動のエネルギーになる栄養です。文鳥が必要としている栄養素の必要な量が含まれているペレットを選ぶことが必須条件だと私は考えています。

その上で、粒の大きさが文鳥に適していて、その子が食事として認識して食べてくれて、飼い主が移行期間に根気よく少しずつシードをペレットに置き換えていければ、文鳥はペレットを主食として食べるようになります。

必要な栄養素の量

文鳥の健康に必要な栄養とその量については、横浜小鳥の病院院長 海老沢和荘先生 著の「文鳥のヒミツ」に詳しく書かれています。文鳥に必要な栄養素は多岐にわたり、各種ビタミン、またミネラルはカルシウムを含め何種類もあります。

ペレットを選ぶにあたり、すべての栄養素を考慮するのは難しいので、私はタンパク質と脂質の量を選択の基準にしています。文鳥の食事中のタンパク質必要量は11~12%、脂肪必要量は4%だそうです。(参考文献:「文鳥のヒミツ」海老沢和荘 著)

「文鳥のヒミツ」は、文鳥のかわいさ、暮らし、病気・健康管理について獣医師の視点から書かれていて、文鳥好きは一気に最後まで読んでしまうおすすめの本です。文鳥の写真も豊富で、どこを読んでも興味深いことばかりです。私はその中でも文鳥の栄養とおすすめペレットの項目で、特に有益な情報をいただきました。手元に置いて、何かにつけて見直しています。

ペレットについて詳しく書かれている本として、小鳥の病院BIRD HOUSE院長 真田直子先生 著の「改訂版飼鳥のペレット読本」も、何度も読み返し参考にしています。これも、可愛いうちの子のごはんについて知る為に是非読んで備えておきたい本です。

わが家の2羽の文鳥には、必要な栄養量を満たすペレットを選んでいます。一部、脂肪の含有量が必要量を若干下回る製品もありますが、複数のペレットを混ぜて与えることで問題はないと考えました。

換羽期には換羽期用のペレットに切り換えるので、今までに9メーカー、14種類のペレットをあげています。それぞれのペレットの特徴をご紹介します。

ハリソン

ハリソンのペレットは人口保存料を使っていないオーガニック製品のため、開封後は8週間以内に使い切ることが推奨されています。ハリソンのペレットは内容量が454gです。8週間=56日で使い切るには、1日約8gです。

毎日8gを消費できるかは、1羽飼いか複数飼いかで違ってきますし他のペレットと混ぜてあげていることもあるかと思います。文鳥は餌をまき散らして食べるので、その分エサ入れに多めに入れておきます。

文鳥に食べやすいサイズは「スーパーファイン」(極小粒)で、粒の大きさは2~3㎜です。

アダルトライフタイムスーパーファイン

タンパク質(min) 14%
脂肪(min) 6%
繊維(max) 4.5%
水分(max) 10%


換羽期や繁殖期ではない、通常な時期のペレットです。わが家の基本のペレットがこれです。近くの、小鳥を見てくれる動物病院の先生にも、ハリソンを勧められました。

ハイポテンシースーパーファイン

粗タンパク質(min) 20%
粗脂肪(min) 12%
粗繊維(max) 5%
水分(max) 10%


換羽期、病気からの回復期、体重不足で体重を増やしたい時など、高エネルギーを必要とする時期のペレットです。うちの文鳥たちは幼鳥期にはずーっと、このハイポテンシーをよく食べてくれました。

生後2ヶ月で荒鳥としてわが家に来たセロリくんは、それまでシードしか食べたことがなかったので、ちゃんと栄養を摂ってほしくて、ひたすらハイポテンシーの日々でした。

私が気になっていることですが、ハイポテンシースーパーファインは、脂肪が12%と若干高めです。換羽期用のペレットとして、脂肪が3%と抑ええられているラウディブッシュブリーダーと混ぜてあげることで調整しています。

ラウディブッシュ

ラウディブッシュのペレットには、アルファルファ(牧草)が入っているのが特徴です。文鳥さんによって好みがあるようですが、うちの子たちは今食べているペレットの中でラウディブッシュが一番好きかもしれません。他の何のペレットと2種類混ぜても、先にラウディブッシュを食べます。

開封後の長期保存された製品の使用は控えるようにと袋に書かれています。具体的な日数は書かれていません。私はハリソンを参考にして、涼しくて日が当たらない場所に置いた上で開封後8週間ぐらいをめやすにしています。

文鳥には粒の大きさが約2㎜のニブルズが適しています。粒の大きさは、やや不揃いです。色は原料由来でばらつきがあります。ラウディブッシュには獣医師が処方する療養食があるので、この味を食べられるようにしておくと良いと思います。

デイリーメンテナンスニブルズ

タンパク質(min) 11%
脂肪(min) 6%
繊維(max) 3.5%
水分(max) 12%

繁殖期でない通常期の成鳥用の無着色ペレットです。原料のアルファルファの色次第で、黒っぽい粒もあります。たまに、切られていないサイズが長い粒のペレットが混じっていますが、爪で挟んで細かくすることができます。

ブリーダーニブルズ

タンパク質(min) 20%
脂肪(min) 3%
繊維(max) 2%
水分(max) 12%

 

繁殖期や換羽期に与える、高タンパク低脂肪ペレットです。ヒナの栄養強化にも向いています。脂肪が3%と低めなので、私は、同じ換羽期用で脂肪が高めのハリソンハイポテンシーと混ぜて使っています。

ズプリーム

ズプリームのペレットには人工防腐剤や保存料などは入っていません。野菜や果物が配合されており、無着色の「ナチュラル」と、着色料を使っていてカラフルな色で食欲を刺激する「フルーツブレンド」があります。ズプリームが好きな鳥さんは多いようです。

ナチュラルパラキート

タンパク質 14%以上
脂肪 10%以上
繊維 5%以下
水分 10%以下

ズプリームのナチュラルの中で文鳥に適すると言われているサイズがパラキートです。粒の大きさは約3~4㎜で、文鳥用の他のペレットと比べるとやや大きめです。

私が購入した袋には脂質が10%と表示があり、通常期に使うベーシックペレットとしてはやや多め?と思いました。しかし、本やネットの情報だと脂肪が4%になっています。配合が変わったのかもしれません。どちらにしろ、他のペレットと混ぜてあげています。

フルーツブレンドXSカナリア・フィンチ

タンパク質 14%以上
脂肪 4%以下
繊維 3.5%以下
水分 10%以下

通常期のペレットです。フルーツの香りで、このペレットが好きな文鳥さんは多く、わが家もパセリくんのペレット導入に役立ちました。ペレット嫌いな子でも、食べやすいと思います。

カラフルな色は人工着色料ですが、鳥の健康に害は無いと言われています。フンに着色料の色が出るので、フンの色で健康状態を判断しにくくなります。

ラフィーバー

プレミアムデイリーペレットフィンチ

タンパク質(min) 12%
脂肪(min) 5%
繊維(max) 3%
水分(max) 10.5%

通常期のペレットです。血中のコレステロールを下げるオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸が入っています。粒の大きさは1~2㎜で、文鳥にとても食べやすいサイズです。

うちの子たちは、この味が大好きで、よく食べます。よく食べるのはいいんですが、2羽ともラフィーバーを食べていると、どんどん体重が増えていきます。単独で与え続けるるのは太りすぎの心配があるので、他のペレットと混ぜて、体重と相談しながらあげています。

ベタファーム

ベタファームは獣医師によって設計されました。オーストラリア産の原料のみを使っています。

開封後の使用期限については書かれていません。ベタファームの内容量が450gなので、私はハリソン(454g)と同様に8週間程度を目安にしています。

フィンチ&バジー クランブルズ

粗たんぱく質 21%以上
粗脂肪 8.0%以上
繊維 4.0%以下
水分 8.8%以下

換羽期という記載は特になく、バランスが取れた栄養ということなので通常期用と思われます。しかし粗たんぱく質が21.0%以上なので、私は換羽期用に使いました。粗脂肪も8.0%以上と、文鳥用としては高めです。

「フィンチ」はスズメ目の中の、ホオジロ科・アトリ科・カエデチョウ科・ハタオドリ科の小鳥の総称です。文鳥や十姉妹、キンカチョウなどがそうです。「バジー」はセキセイインコのこと。「クランブルズ」は 粉にする、砕く という意味です。ブルーベリー抽出物が配合されていて、フルーティーな香りがします。

粒の大きさは顆粒~4㎜程度で不揃いです。食べる文鳥さん側としては、大きめの粒~小さい顆粒と変化があって楽しいのか、大小どちらかが好みで全部そろって欲しいのか、その子によると思うので本人(本鳥)に聞いてみないとわかりません。うちの2羽は良く食べますが、大きい粒は比較的残していました。

輸入品なので、日本語のシールが英語の上から貼られています。日本語のシールには保管方法として、湿気の少ない冷暗所で30℃以下で保存と書いてあります。パッケージに表示されている賞味期限は、未開封の場合だと思います。

黒瀬ペットフード

黒瀬ペットフードは広島県の小鳥飼料老舗企業です。NEO(ネオ)は、国内製造の国産ペレットです。

NEO(ネオ)小粒タイプ・超小粒タイプ

タンパク質 15%
脂肪 3%
繊維 2.4%
水分 11.5%

小粒タイプと超小粒タイプで栄養価はほぼ同じです。着色料、保存料を使っていません。乳酸菌、ハーブエキス、納豆菌、消化酵素が配合されています。大きさは、小粒タイプ約2㎜、超小粒タイプ約1㎜です。どちらの大きさがいいかは、文鳥さんの好みと気分によります。

小粒の袋の説明書きに対応種として文鳥は書かれていないんですが、何度か試してみて、うちの文鳥たちは超小粒よりも小粒の方を食べることがわかりました。やってみなければわからないものです。

NEO(ネオ)フィンチ

タンパク質 21.7%
脂肪 5.8%
繊維 5.9%
水分 10.2%

フィンチの食性を考えて、動物性タンパク質としてミルワームやカイコのさなぎを配合しています。

タンパク質が21.7gと、換羽期用ペレット並みに入っています。本来は通常期ペレットの位置づけですが、わが家では換羽期に国産ペレットのバリエーションとして使っています。

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かわいい白文鳥

イースター

イースターは兵庫県のペットフードの会社です。ドッグフード、キャットフードをはじめ、小動物や観賞魚などのフードを製造販売しています。リトルバードセレクションプロは、国産ペレットです。ホームページによると、開封後は、季節や保管状況にもよりますが、1ヶ月~1ヶ月半での使用をすすめています。

リトルバードセレクションプロ フィンチ用

たんぱく質 15.5%以上
脂質 5.0%以上
粗繊維 5.0%以下
水分 10.0%以下

成鳥期用の国産ペレットです。乳酸菌、オリゴ糖、ビール酵母が入っており、フィンチの食性に配慮して昆虫粉末も配合しています。うちの文鳥たちは、問題なく、よく食べてくれます。流通が安定していて手に入りやすく、国産ペレットを使いたいときよいと思います。

リトルバードセレクションプロ パフォーマンス〈ペレットタイプ〉

たんぱく質 22.0%以上
脂質 7.0%以上
粗繊維 5.0%以下
水分 10.0%以下

幼鳥期のさし餌、繁殖期・換羽期の栄養補給ペレットです。高栄養が必要な時期に、そのまま食事に混ぜて栄養補助食として使う、と書かれています。たんぱく質、脂質ともに高いので、これに全部置き換えるのではなく、換羽の程度を見ながら混ぜる量を調節します。

ただ、量の調節といっても、入れたペレットをすべて文鳥が食べきるわけでもないので、どのくらいの割合で入れればよいのか決めるのは、難しいかもしれません。

ナチュラルペットフーズ

茨城県の、小鳥・小動物の飼料・ペット用品の企業です。パセリくんに始めてあげたあわ玉がナチュラルペットフーズだったので、わが家ではなじみの安心して使えるメーカーです。

エクセルプロバードペレットS

粗蛋白質 13.0%以上
粗脂肪 5.0%以上
粗繊維 3.0%以下
水分 10.0%以下

嗜好性・栄養科学的にあらゆる角度から研究、開発された国産ペレットです。文鳥が食べやすいサイズの大きさで、乳酸菌(フェカリス菌)がプラスされています。着色料・保存料不使用です。開封後については「できるだけ早くご使用ください」という表示です。

このペレットも、うちの文鳥たちは問題なく食べます。エクセルのシリーズはシードも好きで、うちの子たちに合っているようです。

キョーリン

キョーリンは主に観賞魚の養殖や飼料の開発・製造・販売の会社で、本社は兵庫県です。小動物や小鳥の飼料も手がけています。

KIRAPIPI(キラピピ)フィンチ

蛋白質 15.0%以上
脂質 2.0%以上
粗繊維 5.0%以下
水分 10.0%以下

2018年から販売されている国産ペレットです。キョーリン独自の善玉菌「ひかり菌」が小鳥の腸内バランスを整え、有機セレンが換羽期をサポートし、ペプチド亜鉛でキラめく羽つやになるとうたわれています。更にフィンチの食性を考慮し、昆虫原料ミルワームを配合しています。

キラピピはホームセンターなどでも入手しやすく、販売サイズも30gのお試しサイズから、300g、600gとラインナップがそろっている点で利用しやすいと言えそうです。

一般的にペレットは嗜好性が低いのが欠点ですが、キラピピは嗜好性が高く、うちの文鳥たちも食いつきが良いペレットです。

栄養面で、蛋白質は15%なので文鳥の通常期として十分です。脂肪は2%と少なめですが、複数ペレットを同時に使うことで問題はないと思います。

キラピピをご紹介する上でひとつ、お伝えしておくべき事実があります。過去にネット上で、原材料の「かしこ」が問題視されたことがあります。「かしこ」には砂糖やバターが含まれているので、小鳥に良くないのでは、という懸念です。

キョーリンはホームページ上で、この懸念の声に対する説明をしています。この件は、あくまで過去のネット上の反響なので、何が本当なのか私には判断できません。

国産という安心感と入手しやすいこと、他にも利点がいろいろあるペレットなので、この懸念が払拭されればよいのにと思います。

私が実際にうちのパセリくんとセロリくんにあげたことがある9メーカー、14種類のペレットをご紹介しました。まだ他にも海外ではケイティ、マズーリ、シッタカス、ヒギンズ、国内ではキクスイ、アラタなどいろいろなメーカーがありそれぞれ特徴があります。
文鳥の食事をシードからペレットに切り換えたいとき、いろいろなペレットを試してみれば、きっと「うちの子」にあった好みのペレットが見つかると思います。

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