文鳥を健康的に飼育するために、夏は温度管理が、冬は温度と湿度の管理が必須です。文鳥の成鳥が快適に生活できるのは、気温は20~25℃、湿度は50~60%と言われています。
まず夏は暑さ対策が必要です。私は暑いのが超苦手でエアコンをガンガン入れてしまいます。なので白文鳥のパセリくんにとっては、逆に冷房の冷たい風で寒くないかという心配をします。
冬は乾燥するので、温度とともに湿度管理も大事です。
まず温度対策として、文鳥ケージはペットヒーターとサーモスタットで適温に暖めることができます。
湿度対策としては部屋で加湿器を稼働していますが、ケージ内の湿度を50~60%に保つのはなかなか大変です。
考えた末に、夏のエアコン対策と冬の温度湿度対策が1年通してOKな文鳥のケージエリアのセッティングを思いつきました!
われながらグッドアイデアですのでご紹介します。(笑)
メタルラックごとおおう
今までは文鳥ケージに直接ビニールカバーやおやすみカバーをかける方法を考えていました。ここまでの対策についてはこちらをご覧ください。
今回思いついたのは、文鳥ケージを置いてある高さ126cmのメタルラックの上から、ビニールカバーと毛布のおやすみカバーでおおってしまう、という発想です。
メタルラックの上からビニールカバー
文鳥ケージの温度と湿度を確保するにはどうすればよいか、と、少し離れた場所から、文鳥ケージが置いてあるラックを眺めていて思いつきました。
何事も俯瞰的にとらえることが大事なようです。
既製品のビニールカバーをDIY
不器用な私のやることなので、マステをバリバリ貼って見栄えは悪いですが、効果と使いやすさは抜群でした。
ケージを置いたメタルラックにかけているビニールカバーは、SANKOイージーホームバード用クリアーケージカバー37を2枚と、SANKOイージーホームバード用クリアーケージカバー35を1枚、使っています。
こういった素材のビニールをホームセンターとかで買ってきてDIYで作ればきっと安く出来ると思いますが、この四角い形を、きっと私は作れないと思い、既製品を使いました。
まず、クリアーケージカバー37を、左右両側から向かい合わせにかぶせます。黄緑色のパイピングのカバーです。横と奥行きはこれでサイズバッチリです。
ただ、縦の長さは足りないので、今まで使っていたクリアーケージカバー35をハサミで切ってマスキングテープで貼り足しています。水色のパイピングの、下の部分がそうです。
前側の左右の角にハサミで切り込みを入れて、前面を上に上げてオープンできるようにしました。左右を切った切り口はマスキングテープでおおっています。
ポリ塩化ビニルは有害?
このビニールカバーの素材は「PVC・ポリエステル」と表示されています。PVCとは、ポリ塩化ビニルのことです。
ポリ塩化ビニルは文鳥に有害な物質が溶け出るという意見があります。確かに新品を開けるとしっかりとビニールのニオイがします。
これを気にしてビニールカバーを使わない飼い主さんが多くいらっしゃいます。長期的に使い続けると有害物質で文鳥に健康被害が出るのかどうなのか、実際のところ私にはよくわかりません。
もし有害であれば、小鳥に危険な商品が小鳥用として流通されていることになります。現状としては、小鳥用品を販売しているメーカーさんを信じて使っていることになります。
ビニールカバーのメリット
ビニールカバーは保温だけでなくエサの飛び散り防止にも役立ちます。ケージに合ったサイズに出来上がっているし、とても使い勝手が良く、私にとっては便利グッズです。
心配ならば、ケージカバーの素材をポリカーボネート版にすることも選択肢として考えられます。
でもうちでは今のところは何のデメリットもなくメリットだけでビニールカバーを使っています。しばらくこのままやるつもりです。
メタルラックの上からおやすみカバー
今まではヒーターとヒーター保護のためのワイヤーパネルとケージを一緒にして、HOEIおやすみカバータイプAをかぶせていました。
直接かぶせる、と考えていたので、おやすみカバーのサイズはキツキツでキッチリでした。
今回はメタルラックごとおおうという発想なので、おやすみカバーとしてシングルサイズの毛布を使うことを思いつきました。
文鳥が寝る為に光を遮るのが目的なので、色は黒がいいのでしょうけれど、私の好みの問題で、ネイビーを選びました。
前だけ開けているとこんなかんじです。今まではおやすみカバーをかける前にバードバスを外していましたが、これなら設置したままでかけられます。
これで、「おやすみなさい・・・」です。普通にシングルサイズ140×200の毛布ですが、ちょうどいいサイズです。
ただかぶせるだけなので、すっごく楽です。しかも、遮光効果がバッチリでした。
ケージの下の面はビニールカバーも毛布もないので、密閉しすぎることがなく、換気も大丈夫です。
ヒーターで温まった空気は上へ行くので下から温めた空気が逃げることもありません。
ヒーターの設置について
暖かくなってヒーターを外し、寒い時期になってまたつけたときに、久しぶりにヒーターを見て怖がる文鳥さんがいると書いてあったサイトを見ました。
なのでヒーターは使わない時期はOFFにしたまま一年を通して設置しておこう思います。ストレスは少しでも無くしたいと考えます。
外付け式バードヒーター
パセリくん用に買った100均のワイヤーネット、この際なので活用しました。1枚は、今まで使っていなかったバードヒーターをケージのすぐそばに設置する為に置いてみました。
ワイヤーネットを立たせるためにブックエンドに固定しているので、ケージの下に楽に差し込めます。
ケージ全体が暖まるヒヨコ電球のヒーターと違い、外付け式バードヒーターは、ケージの外側に設置して部分的に暖めます。小鳥が寒いと感じたときに自分でそばに寄って暖まります。
私は暑いのが苦手なので、夏はエアコンをガンガンかけてしまいます。ケージ全体の温度はビニールカバーをかけることで調節しますが、それでもパセリくんが寒いとかんじたときに暖まるのにいいかな、と思っています。
これは、夏にエアコンを必要以上に使わない普通の家では必要ないと思います。通常は、室内全体の温度をエアコンで文鳥に適した温度にするのが理想的かと思います。ただ、文鳥さんの適温では、どうしても私が暑いので・・・。
ヒヨコ電球ペットヒーター
もう1枚のワイヤーパネルは、100均のスタンドを使ってケージから少し離して置きました。ヒヨコ電球のアサヒペットヒーター40Wを取り付けました。
夏はコンセントを入れずにダミーです。冬はメタルラックごとビニールカバーがかかっているので、温まった空気が逃げません。
下の面はオープンなので換気もバッチリです。ヒーターとケージとの距離は自由に変えられます。
ヒヨコ電球のヒーターを使うときに、熱電源を一定温度に保ってくれるサーモスタットは必須です。寒い時期に、夜中も通してずっとケージの温度を見ているわけにいかないので、ヒーターとサーモスタットはセットで考えるべきだと思います。
冬の夜中、人間は布団の中で暖まっていますが、文鳥さんのケージは明け方の冷え込みの影響をもろに受けます。そうかといってヒーターをつけたままおやすみカバーでおおってしまうと、温度が上がりすぎてしまうことがあります。
私はパセリくんをお迎えしてから初めの数日間、サーモスタットの準備が間に合わず、温度が低くないか、または上がりすぎないか心配で、夜中に何度か起きて確認しました。サーモスタットを設置してからは、なんと便利でありがたいことか、と実感しました。
ペットヒーターの選び方
文鳥をお迎えする前は、ペットヒーターの何Wを用意すればいいのかわかりませんでした。パセリくんをお迎えするときに、マルカン保温電球60Wをお店の方に勧められて言われるまま購入しました。
ヒナの時期は28℃~30℃ぐらいの温度が必要なので、今となっては最初に60Wを買って良かったと思います。でも、次に寒くなる頃、パセリくんはもう成鳥です。20℃~25℃ぐらいの範囲で保温できればよいので、60Wは必要ないかもしれません。
例えば北海道と九州では明らかに寒さが違うわけで、私が住んでいる静岡県東部は、冬でも雪は降らないし温暖な気候です。
そこで参考になるのが、ペットヒーターの温度目安です。ペットヒーターは、ケージ内を室温プラス何度ぐらい暖めてくれる、という目安になる温度があります。これは、密閉した狭い空間での数値なので、状況によりここまで温度が上がらないこともあります。
マルカン保温電球とアサヒペットヒーターは、W数による室温+温度の目安が同じです。
40W 室温+7℃
60W 室温+10℃
100W 室温+15℃
アサヒは30Wがありますが、マルカンに30Wはありません。アサヒの30Wがどのくらい暖まるのかわかりませんでしたが、20Wと40Wの間ぐらい、と考えるのが妥当かと思います。40W以上は、アサヒの方が若干カバーサイズが大きめです。
文鳥に適した温度は健康な成鳥で20℃~25℃です。文鳥のケージを状況に応じて適切な温度にするには、ペットヒーターとサーモスタットを使います。 更にケージにビニールカバーをかけると温かい空気を逃がすことがなく効果的に温度を保つことができ[…]
この数値を考慮して、次に寒くなる時期の準備として、とりあえずアサヒの40Wを形だけ取り付けました。真冬の明け方に気温が下がることを考えると、20Wでは心細い気がしたので。ワイヤーネットにスペースがあるので、40W、20W、パネルヒーターを常設して、気温によって使い分けるのもいいかもしれません。
乾燥対策には濡れタオルが効果あり
温度管理はヒーターとサーモスタットで解決しますが、乾燥する時期、湿度対策の濡れタオルをどこにかけようかとあれこれ困りました。
SANKOイージーホームクリアバード35は、天井がクリアーパネルになっているので、ワイヤーだけのケージのように上に濡れタオルを置けないのです。
部屋に加湿器を置けば室内の湿度は改善されますが、カバーをかけたケージ内までそれで湿度が充分かというと、イマイチでした。
ケージの乾燥対策は、やはり濡れタオルを置くのが一番効果があります。
ケージの外側かつビニールカバーの内側にヒーターと濡れタオルをかけることができるワイヤーネットを設置したことで、この問題が解決しました。
濡れタオルがヒーターで暖められて、更にビニールカバーで湿度が逃げるのを防ぎ、加湿効果が高まるのも期待できます。
ケージの反対側に、上から洗濯ばさみをつけました。これに濡れタオルを吊るすこともできます。
洗濯ばさみで濡れタオルをつるした場合は、下にトレーを置けば、濡れタオルから水滴が落ちても大丈夫です。
文鳥が健康に暮らすために適した湿度は50~60%です。乾燥する冬は加湿対策が必要になります。文鳥を迎える前のわが家は、冬の室内湿度が10%台はざらでした。 文鳥をお迎えしてから対策を講じ、今では加湿器と濡れタオルを使って、文鳥ケージを[…]
地震対策について
地震対策もしています。私が家にいるときに地震が起こればケージを抑えることが出来ますが、留守のときもあります。
地震の揺れでケージが前に落ちないように、100円ショップの「荷締めベルト」で、メタルラックごとベルトをかけました。
ベルトの位置は、ケージの前面扉の開け閉めに影響なく、またお掃除の時にトレーを引き出すのにジャマにならない高さにしてあります。カバーの前面は開け閉めの為にベルトの外側に垂らす形です。
これも、まだ課題が残っています。地震でケージがラックから落ちないようにしましたが、ラック自体が倒れないように対策しなければいけません。
天井までの突っ張り棒で固定するにしては、メタルラックが低すぎる気がします。でも、この高さ、126cmだからこそ、スッポリと上からビニールカバーをかぶせることができたわけです。
ラックの脚はキャスターなので、耐震ジェルマットは使えません。掃除の利便性を考えると、キャスターで移動できるのは捨てがたく、固定の脚にしてしまうのも踏み切れません。
キャスター用の下皿を検討中です。考えます。
文鳥ケージの温度湿度を快適に
文鳥が快適に過ごせる気温は20℃~25℃、湿度は50%~60%と言われています。部屋用とケージ用、2つの温度湿度計を用意して、ケージが置かれている部屋の温度と湿度がこの範囲ではないときに、ケージ内の温度、湿度をどうやって調節するか、ということになります。
少しの温度差なら、前面のビニールカバーを開けたり閉めたりで調節できます。冬はサーモスタット付きのペットヒーターで、室温を考慮してケージ内を文鳥の適温に保ちます。
春と秋は朝晩冷え込むことがあるので、サーモスタット付きヒーター、または外付け式バードヒーターで調節できます。
夏は、わが家の場合は暑さ対策というよりも、エアコンの冷風がケージに影響しすぎないようにというの主になります。私が暑いのがダメなのでエアコンをガンガンかけています。
ビニールカバーの開け閉めだけでも充分にケージ内を快適温度に保つことが出来ています。もしケージ内が冷えすぎるようなら、バードヒーターを少し離してONします。
エアコンをつけすぎていない普通のお宅なら、夏は適度なエアコンの温度設定で文鳥さんも飼い主さんも快適に過ごせると思います。
冬場の乾燥対策も、このままのセッティングで、加湿器プラス濡れタオルの設置で簡単にできそうです。
メタルラックの上から、ビニールカバーとおやすみブランケットをかけるケージセッティング、実際やってみて私は大満足です。