発達障害30代の娘に、どのように一人暮らしの話を持ち掛ければよいのか思案していました。すると思わぬところで、娘の方からきっかけを作ってくれました。
私はそのチャンスを逃さず切り込みました。その後、すったもんだ、ああだこうだとありましたが、一人暮らしの家探しを始めるまでにこぎつけました。
年末からのいろいろな動き、まさかこうなるとは予想できませんでした。
一人暮らし提案のきっかけは娘の方から
《2月13日》
娘の方から話しかけてきました。

お金、大変だから、生活保護を受ける方法もあるんだって。
友達から、また入れ知恵があったようです。しかし私は、これだ!と思い、すかさず言いました。

そうだね、○○ちゃんが一人暮しするならその方法もあるね。
私は「一人暮らし」という言葉をここで初めて切り出しました。やりました!一歩前進です。

一人暮らしでないとだめなの?
今は受けられないの?

お母さんは働いていて収入あるから一緒に住んでたら受けられないよ。生活保護受けるつもりあるなら、一人暮らしで自立するのもありだね。
娘は「一人暮らし」という言葉を予想していなかったようです。自分の部屋に行ってしまいました。
もし本人に生活保護を受ける覚悟があるなら、私が無理して娘の家賃を補助しなくてもいいことになります。本当のところ、私は自分が食べていくだけで手一杯です。
それより何より、娘の発言がきっかけで「一人暮らし」という提案ができたことは、最大の収穫です。
《2月15日》
娘が本気で生活保護を考えているのかどうか、まだ確認していません。
でも、よく考えてみました。もしそうなったら、娘は仕事をせずにお金が入ることに甘えると思います。
仕事ができるように頑張るという考えを持たなくなり、自立できなくなってしまいます。それでは意味がありません。
娘の自立の為には、仕事できるようになるまで、生活保護ではなく私が家賃を補助した方がいいと考えました。私は大変ですが。
《2月18日》
娘はまた情報を仕入れたようです。

生活保護ってパソコンとか持てないんだって。
一人でお外行けないから、買い物できない。ご飯無くて死んじゃう。一人暮らし無理。

生活保護は考えなくていいんじゃないかな。
でも自立して一人暮らしって、いい方法だと思う。家賃を補助するから、この先お仕事するためにも自立できるようにしようよ。

自立って、まるで自立してないみたいな言い方じゃん!
子ども扱いじゃん!
怒っています。本人、どうやら自立してるつもりのようです。
一人暮らしすることを、娘はまだ納得していないので先に進めません。一人で何もできないと言い張ります。
私は知っています。出来ないのではなくて、まるでやろうとしてないだけです。本当にどこまで甘えるのか、という感じです。
《2月25日》
一人暮らしを提案こそしましたが、実際のところ娘が買い物など外に出れるとは思えません。
毎日は無理ですが、少なくとも週に2回ぐらいは様子を見ながら冷凍食品とかカップ麺とか食品補充に行くつもりでいます。
病院に行くにしろ銀行に行くにしろ、手助けは必要だと思われます。
出来れば私の引っ越し先と娘の引っ越し先が徒歩圏内なら、すぐに様子を見に行けます。いい条件の賃貸が見つかればいいなと思いながら、物件サイトを見始めました。
まだ一人暮らしを納得しない娘には、物件探しは内緒です。また怒られるので。
納得しない娘だが徐々に変化が現れる
《2月27日》
珍しく娘が自分から、近くのドラッグストアに行くと言い出しました。歩いて一緒に買い物に行きました。
普通に歩けば徒歩1分です。娘は私のバッグにつかまってゆっくりゆっくり歩きます。
店内をゆっくりと周ってから、私はレジに並びました。娘はレジを通らず、先に外へ出て待っていました。
また私のバッグにつかまってゆっくりゆっくり帰ります。家に着くと娘は、ぐったりと疲れた様子です。
相変わらず着替えは自分でできません。でも自分から外へ出たのは進歩です。
《2月28日》
今度は100均に行くと言い出しました。自分で着替えをしています!さっそく私の運転で100均へ。
車を降りて店舗に入ると、間もなく一人で行動し始めました。これも進歩です。かなり長い時間店内を見て回りました。レジへは行けず、会計は私が代わりにしました。
更に別の100均へも行きたいと言うので移動しました。2つ目の店舗の方が、品揃えは少ないが人が少なくて良いというのが本人の言い分です。
ここでも長い時間店内を見て回り、今度は自分でレジでお金を払うことができました。家に戻ると、自分で靴下を脱ぎ、ズボンも上着も自分で着替えました!
一人暮らしの提案を受けて、少しは自分で何かをしなきゃと思ってくれたのでしょうか。
兄に助けを求めるが無駄だと気付く
《2月29日》
仕事からの帰宅途中、別に所帯を持っている息子から連絡がありました。娘は兄ちゃんに「引っ越して一人暮しするのは無理だ」という味方になってほしくてLINEしたようです。
自分は具合が悪い、外に出られない、安い家賃では古くて汚くて狭い家しかない、ご飯買いに行けなくて死んじゃうから無理。と言ってきたそうです。
私は、息子に状況を話してありました。息子も、妹の将来を考え、自立が必要で 一人暮しするべきと考えてくれていました。
娘に「一人暮らし頑張れ」的なことを伝えてくれたようです。娘は兄ちゃんに味方になってもらえず「もう、いいよ!」的な、ひねくれた返事だったそうです。息子は「大丈夫かな?」と心配して私に連絡してきたのです。
私が家に帰ると、娘は全く普段と変わらずでした。私が用意した食事を普通に食べて部屋に戻っていきました。
娘が具合が悪いと言って気を引こうとするのはいつものことです。それに6畳のワンルームは一人暮らしの定番です。それが狭くてイヤだというのは、贅沢だしわがままです。
娘は今のまま甘え続けていたくて、一人暮らしが不安で、兄ちゃんに心配してほしかったのです。
私も去年までは、娘がギャーギャー言うと、ついかわいそうで、いろいろやってあげたり言うこと聞いたりしてあげました。
しかし今思えばそれがいけなかった。私がいれば甘え続けて一人では何もしようとしない。娘が治るには、今、自立させるべきです。
一人暮らしの家探しが始まる
《3月1日》
娘はSUUMOなどのサイトを見て、家探しを始めました。引っ越しする気になったようです。
私に「自分が住むところは見つけたの?」と聞いてきました。私は自分用に目星をつけた物件がありました。それを見せると娘は、明日一緒に見に行きたいと言い出ました。
日々の生活を見ていて考えます。やはり娘は、その気になればいろいろ普通にできると思います。やろうとしていないだけなのか、できることに自分でも気付いていないのか。
一人暮しでやっていくための家計の計算もちゃんとしています。友達の前では普通に普通で、私にはわがままを言ってるだけだということが、よくわかってきました。
娘と私の一人暮らしの家探しが、やっと始まりました。
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