発達障害30代娘の介護にあけくれる生活がもう4年近く続いています。毎日のように娘から怒られ、怒鳴られ続けています。
しかし昨年末からの出来事で、私は娘が本当は一人で何でもできることを知ってしまいました。
娘本人が自分は何もできないと思い込んでいるのか、それとも承知の上で使い分けているのか、それは私にはわかりません。
娘に必要なのは介護ではなく、自立を促すことだと考え始めました。そして私の考えは、娘と別に住みお互い一人暮らしをするべきという決意に変わりました。
「母親」という甘えられる存在が、娘の自立を妨げていることに気付いたのです。
娘の状況を見ながら私の気持ちが決意に至るまで、日々心境の変化がありました。
娘の体重を支えるのをやめたら自分で立った
《2月7日》
娘は友達の体調をすごく気づかっています。胃腸炎で家事ができなくて大変だからと、手伝いにいそしみます。
掃除機もかけてあげるそうです。家では掃除機などさわったこともなく、鼻をかんだティッシュすらその場にポイ捨てです。
友達はギックリもやったそうです。手伝ってあげて、すごく感謝されていると娘は言います。
では、私の腰が痛いのはどうなんでしょうか?原因は娘の介護です。私がいくら「腰が痛い」と訴えても聞いていない様子です。
当然のように「動けない」「立てない」と、あの脱力状態の娘の体重を私が持ち上げることを要求されます。
私の腰痛は、かなり悪化しています。かがむのもやっとだし、腰痛をかばうので歩き方も変です。
これ以上娘の体重を支えるのは本当に無理でした。娘に言いました。

腰が痛くて、ホントに無理。
立たせてあげられない。
自分で立てるまで座っていて。
本当に支えてあげられないから。
娘は初めはギャーギャー言っていました。しかし、そのうち観念したようです。私が娘の手を軽く支えただけで立ち上がりました!

あ、立てたね!
良かったー!
すかさず褒めます。
私は内心「なんだ、立てるじゃん!」と思いました。私がやってあげなければ、自分でやるということを再認識しました。
私が娘の自立をじゃましている
《2月8日》
心療内科の先生に状況をお話ししました。すると先生から、まさかの嬉しい提案がありました。

お母さん、
家を出ちゃってみたら?

私は可能ですが
娘は経済的に無理です。

それが無理なら、
とにかくあまり手をかけずに
やってあげなければ
初めは怒ると思いますが
少し離れて隣の部屋に行くとか
見守ってみたらどうでしょうか。

そうですね。
私がやってあげてしまうから
いけないのかもしれません。
先生からアドバイスを頂き、難しいかもしれないが実行してみようと思いました。
家に帰って、更によく考えてみました。
娘の一人暮らし。私が娘の家賃を補助すれば可能かもしれません。娘は私がいるから何もしないのです。私がいないところでは、ちゃんとしてるのです。
一人で暮らすことで身の回りのことやいろんなことが自分で日常的に出来るようになり、更にゆくゆくは仕事が出来るようになれば、こんなに良いことはありません。
娘の一人暮らしを決意
《2月10日》
娘は先日、運転免許証の更新をしました。しかし実際に運転するには医師の「運転可」の診断書提出を求められています。
その診断書をほしいがために、娘は自分から「病院、行く」と言い出しました。
いつもあんなに嫌がって行かないのに、行く気になれば行けるではないか!と私は思いました。
結局、心療内科の先生に「運転可」の診断書は書いていただけませんでした。
体が動かくなったりパニック発作が頻繁です。それにお薬が継続的に必要です。先生が、この人は運転大丈夫です、なんて言えないのは当然のことです。
娘は自分は運転できないと悟り、かなりショックを受けたようです。また、私のせいになり怒られました。
娘はまた友達の家へ行きたいというので送っていきました。おそらく泊まってくるでしょう。
私にはワガママいっぱいに身の回りの世話をさせ、相談先は友達で、友達の意見やアドバイスはすんなりと聞き入れます。
可能か不可能かわかりませんが、私は遅くとも今年中ぐらいには娘と別に住もうと考えるようになっていました。娘と私の一人暮らしを決意したのです。
娘は病院を変えると言い出す
《2月11日》
昨日、心療内科の先生は、素晴らしい診察と指導をしてくれました。
病院にきちんと診察に来るように。生活の中で、着替え、お風呂に入る、薬を飲む、など自分でできるようにするように。パニック状態になるなら運転は無理だということ。今の薬を飲んでいる人には車の運転を控えるようにと言っていること。等々を、娘に優しく諭してくださいました。
私は、これで娘も少しわかってくれるかと思いました。
昨日から友達の家に行っていた娘は、夜になって帰ってきました。そして娘の受け止め方が真逆だったことが判明したのです。

先生、変なことを言う。
先生、怖い。
行くと具合悪くなる。
病院、変える。
セカンド・オピニオンする。
いや、現実は、先生は何年も娘を診察してくれているから娘のことをわかってくれているし、だからこそ、今の悪い病状に必要なアドバイスをしてくれたのです。

先生、変なこと言ってないよ。
病院、変えない方がいいと思うよ。

病院、ずっと行ってるのに治らない。
先生、違うこと言う。
先生が合わないから病院変える。
昨日から今日にかけて友達の家に泊まったので、友達には自分の都合がいいように話したと思います。それで友達から、病院を変えたらどうかとアドバイスされたようです。
娘は私の言うことは聞かず、私の言っていることは間違っていると思っています。
更に先生の言うことにも耳を貸さず、助言を受け入れないことがわかりました。先生は、本当に娘のことを理解し適切なアドバイスをしてくださっているのに。
しかし友達が悪いわけではありません。娘の突然の訪問を迎え入れ、娘の話を聞き、その言い分から心配して判断して相談にのってくれているのです。
娘が事実を自分のいいように曲げて話すから、誤解が生じるのです。ご迷惑をおかけし、申し訳ない限りです。
私は、娘が先生のお話を聞いて、自立する必要を理解してくれたかと思っていました。
少なくとも、身の回りのことなど、最低限の自分でできることをやる、病院に診察に行くなど、生活の基本的なことをちゃんとやれるようにしようと考えてくれると思ったのです。
しかし、違いました。先生のアドバイスが気に入らず、先生が悪いから病院を変えればよいというのが娘の理屈でした。
一人暮らし案を娘にどう伝えるか
今だからこそ、思うことがあります。
私は幼いころから我慢強く、怒りという感情が少ない性格です。自分が耐えてしまい、自分を犠牲にしてしまうのです。
ずっと、何をするにも自分より家族優先の判断基準でした。それで娘はいい気になり、やりたい放題のワガママ娘になってしまったのです。
娘がそうなってしまったのは、私に非があります。今のままでは、自立ということを、娘は理解不能の状態です。
娘には一人暮らしさせるべきです。しかし、それをどうわからせたらいいのか、何と切り出すか・・・
ここ数日、私が主張しはじめたことがあります。
まず、腰が痛くて娘の体重を支えられないこと。その成果は少しずつ出ているようで、娘は動けないといいながらも、自力で立ったり段差を登ったりするようになりつつあります。
次に、大きい声を出されると、ガンガン、クラクラするから、大きい声を出さないで、怒らないで、ということも言いました。
すると娘は、泣き叫び、怒鳴りだしても、すこしトーンダウンするようになってきました。これはやはり、私から策を打ち出すべきだと思います。
一人暮らし案を、娘にどう伝えるか。私は決意したものの、大きな壁にぶち当たりました。
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