娘と私は一人暮らしをすることにしました。一人暮らし用の物件を探しています。私の条件はシンプルなのでほとんど選択の余地がなく、すでにほぼ決まっています。
問題は、発達障害30代娘の一人暮らし物件です。こだわりが強く、すべてがそろわないと気がすみません。わがままというか、ぜいたくというか・・・
物件探しでも娘に怒られます。「ちゃちゃは言うことがコロコロ変わる。○○ちゃんは言ってることずっと一貫してる!」と。
いやいや、言うことコロコロ変わってるのはそっちだから!
また怒られるのでそうは言えませんが。
場所のこだわりが半端ない
引っ越し先の場所について、私はパート先に自転車で通える範囲、という条件があります。無職の娘は「○○ちゃんは、しばりがないから場所はどこでもいい」と、最初は言いました。それなら県東部一帯の広い範囲から探すことができます。
便利さの条件
ところがところが、いざネットで探し出すと、あれはダメ、これはダメ、と次から次です。
まず地域の外れの方は、何もないから無理と。お店とか、という意味です。まあ、わかります。
娘いわく、コンビニが近いのは必須だそうです。
私はどちらかというとスーパーやドラッグストアが近い方が便利だと思うのですが、娘はコンビニさえあれば良いそうです。
コンビニさえあればいいのなら、なんとか探せそうです。
地形的な条件
次に平地でないとダメと言い出しました。少しでも坂を上っていくと不可です。地域の山側に入った場所には住宅街が広がっていて、家賃が少し安めです。しかし、ここはNGということです。
山がダメで、更に海の方もダメだそうです。海の近くは津波が来ると死んじゃうと。よさそうな物件がいくつもあるのですが、すべてNGです。
海から少し距離が離れた場所によさげな物件がありました。コンビニも近く条件は完璧です。娘はすぐさまGoogleアースで確認です。
すると写っていた電柱に「ここは海抜2メートル」と書かれていたと。却下です。私がYAHOO!地図で調べるとそのあたりは標高6メートルなんですが、娘は聞き入れません。
音の条件
新幹線近くも不可。友達からの情報で、新幹線が通過するときの風圧で窓が揺れて「ボン!」と音がするからダメだそうです。
町の中心部は、にぎやかすぎて周りがうるさいから不可。
大通りに面しているのも不可。娘が好きなファッションセンターの近くにいい物件があり、私は便利でいいと思ったのですが、車や人の声がうるさいと言います。
メイン通りから入って離れた場所に、周囲が静かな物件がありました。すると今度は、通りから距離があってコンビニまで歩いて遠いからダメだと。
別のコンビニ近くの物件、これならよかろうと提案すると、中学校のすぐそばだという指摘が入りました。学校近くは生徒の声がうるさいからNGです。
その他の条件
コンビニ徒歩3分によさげな物件がありました。私は今度こそいいだろうと思いました。ところが、徒歩3分の間に大きな道を渡るから車にひかれて死んじゃうと。
横断歩道も歩道橋もあります。もちろん歩行者用の信号もついています。
ダメだそうです。どうやら娘は「自分は歩けない」と思い込んでいるようです。「歩けない」のでは、何がどう近くてもダメなことになります。
娘は一人暮らしすることに対して、よく「死んじゃう」という言い方をします。そう言って、気を引きたいのでしょうね。
物件のこだわりも半端ない
物件自体についても娘は最初「あまり条件つけない」と言って探し始めました。今までは鉄筋コンクリート造りの建物に住んでいたのですが、鉄骨とか木造とか気にしないと言うのです。
一人暮らしに2DK以上を要求
一人暮らしですから、私は当然のようにワンルームを探していました。ところが娘は、ワンルームは狭いと言い出しました。
娘の言い分を総合すると、2DK以上でないと納得しない様子です。私から言わせれば、なんとぜいたくな、と思います。
しかし娘は、シンプルライフを目指す私とは正反対です。とにかく物を捨てない。取っておく。次々と欲しいものを買いまくる。片付けない。
娘の荷物は恐ろしい量になっていて、確かにワンルームには収まらないでしょう。しかも引っ越しを機会に物を減らそうとか捨てようという気は全くありません。
2DK以上となれば家賃もそれなりです。でも本人が納得しなければ始まりません。
和室のみはNG
2DKの条件で探していると、比較的家賃がお得な物件を見つけました。しかもコンビニが近くです。さっそく娘に提案しました。
今度のNG理由は、2部屋とも和室はダメ、でした。和室にフローリング調のカーペットを敷けば洋室のように使えるよと言ってみましたが、却下です。
また別の物件を見つけました。コンビニが近く、周りも静かです。2部屋のうち1部屋は洋室です。もうここしかありません。提案しました。
すると、「木造ってどうなの?」だと。
私はあきれ返りました。表情には出しませんが。最初「木造とか気にしない」って言ったくせに!
本当に、コロコロ言うことが変わる娘です。
妥協を知らず難航
本人に決めさせよう
私がネットで探して「これはどう?」と情報を提供した物件は、次々と却下されます。ああ言えばこう言うとはこのことです。どれだけ探してあげても、これでもかとなんくせをつけてきます。
初めは「しばりがないからどこでも」と言っていたのに、場所も物件も、その条件はそうそうたるものです。
理想を言ったらきりがありません。金額を出せば解決するんでしょうが、現実そうはいきません。
それに、もし私が提案した物件に決めたとしても、結局は後で何かにつけて私のせいにされることは目に見えています。
本人に探させ、決めさせた方がいいと考えました。これも自立です。探してあげている私の方が、子離れできていませんでした。娘はいくらでもスマホでネットを見て自分で探すことができるのです。
結局、娘は決められない
物件探しは家賃を考えればどこかで妥協を迫られるものです。しかし娘はそれをする気がありません。家賃以外のすべてが思い通りでないと気が済まないのです。
何日たっても、一向に話が進みません。本人の決断を待っていたら、このままでは何年たっても引っ越せません。
娘の出した条件をすべて考慮したうえで、私が方向性を示そうと思い始めました。
今までに娘がネットで自分で見つけてきた物件は、ざっと20件以上あります。それを条件から2~3件まで絞り込み、理由とともに提示してみようと考えています。
再度、私の検討が始まりました。それで決めてくれるかどうかはわかりません。しかし、やってみないことには娘の自立の第一歩が踏み出せないのです。
何事にもこだわりが強い
物件探しにかかわらず、発達障害の娘は何事にも「こうでなければならない」というこだわりが強く妥協しません。
相手がどう考えているかはお構いなしです。自分の好みを押し付けます。自分の思い通りでないと気がすまないのです。
ただ、もしかしたらそれは、私に対してだけなのかも、と思ったりします。外で友達からの娘の評価は良いのです。
友達には自分のこだわりを押し付けることなく、上手に付き合うことが出来ているのかもしれません。
私がいないところでうまくやっていてくれるのなら、それはそれで自立なんでしょうね。
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